2012年7月17日火曜日

レコ・コレ誌「ストーンズ・ベスト・ソングズ100」(つづき)

暑い日が続いている。全国で熱中症患者が続出だ。
あまり外に出られないものだから、曲単位ランキング特集はつまらないと言いながらも、レコ・コレ誌を手にとっては、曲の説明をぽつぽつ拾い読みしている。説明ではどの曲もみんな「名曲」ということになっているのが、なんともシラケる。だったら何でこの曲ってもっと上位じゃなかったの…、とついひねくれたことを言いたくなる。

ところで『ホット・ロックス』というストーンズのベスト盤がある。デッカ時代の曲(+α)のコンピ・アルバムだ。この内容が今回のランキング的にはかなり便利な選曲だということに気がついた。第7位のt「タンブリン・ダイス」を除くと、第1位から第14位までの曲を、このベスト盤だけで聴くことができる。
とくにディスク2は、収録曲9曲のうち、1曲を除いた残り8曲がすべて13位までの曲という効率の良さ。ちなみにこのランク外の1曲というのは、29位の「ミッドナイト・ランブラー」だ。しかもライヴ・ヴァージョン。私はこの曲、途中がだれるのであまり好きじゃない。第29位は妥当。
よけいなお世話だけど、今回のランキングを見てストーンズを聴いてみようという初心者がもしいたなら(いないか)、そういうわけでこのアルバムはおススメだ。安いしね。私の持っているのは、2枚組ではなく、1枚ずつバラ売りされていたもの。中古屋で2枚ても1000円しないかも。

しかし、このアルバム、デッカから離れて自分たちのレーベルを作ったストーンズたちに対抗して、デッカ時代の悪名高いマネージャー アラン・クラインが勝手に選曲して発売したものだ。ストーンズたちのコントロールの及ばないところで作られ、いわば独立したストーンズたちへのあてつけのように発売された。しかも、当時めちゃくちゃ売れた。
そのアルバムが、50年のキャリアを振り返った今回のベスト・ソングズ上位曲を聴くための最適アルバムだったとは。何とも皮肉な話だ。

さて今号では、読者にストーンズの名曲ベスト10の投票を呼びかけている。投票用のはがきも綴じ込まれている。今回の特集をベースにした臨時増刊『ローリング・ストーンズ名曲ベスト100』にその結果を盛り込むのだとか。
私は今までこの綴じ込みはがきの投票というのには参加したことがない。めんどくさかったからだ。しかし、今回はランキングを予想したりして、これまでそれなりに労力をつぎ込んでいる。そこで、せっかくだからこの投票に参加してみることにした。

そのために、私のベスト10をあらためて選んでみることにした。たしかにベスト・ソングズ10は予想したけれども、それがそのまま私のフェイヴァリットのベスト10というわけではない。あれは世間様が選ぶであろう最大公約数のベスト10を、世間様になり代わって私が選んだだけなのだ。
しかし、私のベスト10が、それとまったく別というわけでもない。かなり重なっていることは事実。というわけで、予想したベスト・ソングズのリストをベースに、私のベスト10を作ってみることにする。私が自分の投票の内容をここで事前に公表してしまっても、べつに大勢に影響はないでしょ。
何回も掲載して申し訳ないが、まず私の予想リストは以下のとおりだった。

<ストーンズ・ベスト・ソングズ 私の事前予想>

第1位 「ブラウン・シュガー」
第2位 「ジャンピン・ジャック・フラッシュ」
第3位 「ホンキー・トンク・ウィメン」
第4位 「ストリート・ファイティング・マン」
第5位 「サティスファクション」
第6位 「シンパシー・フォー・ザ・デヴィル(悪魔を哀れむ歌)」
第7位 「ギミー・シェルター」
第8位 「タンブリン・ダイス」
第9位 「イッツ・オンリー・ロックン・ロール」
第10位 「ペイント・イット・ブラック(黒く塗れ)」

第1位の「ブラウン・シュガー」は、私にとっても絶対的に第1位だ。
前にも書いたように今回のランキングの結果で、この曲は第4位だった。しかし、それにしてもランキングに参加したレコ・コレ誌の筆者25人+浦沢直樹の個々のランキングの中で、「ブラウン・シュガー」を1位に推している人が一人もいないのはちょっとびっくり。犬伏功氏と寺田正典元編集長の二人が、かろうじて第2位に選んでいるのが最高位とは。ふに落ちないし残念だ。

まずこのリストの初期の2曲については、10位以内から外しはしないが下位に並んでもらう。第10位の「ペイント・イット・ブラック(黒く塗れ)」はそのままとして、第5位の「サティスファクション」は9位へ移動。
第8位の「タンブリン・ダイス」は、じつは私には今ひとつの曲。もちろんきらいではないが10位までには入らない。代わりに『エグザイル・オン・メイン・ストリート』からは、何といっても「リップ・ジス・ジョイント」だ。弾みながら疾走する爽快感がたまらない。
第9位「イッツ・オンリー・ロックン・ロール」は、当然10位圏外へ放出。これで、一つ席が空いた。

どうしても10位以内に入れたいのは、『スティッキー・フィンガーズ』の「ビッチ」だ。「ブラウン・シュガー」で始まるA面が終わって、レコードを裏返すとB面の一曲目がこの「ビッチ」。「ブラウン・シュガー」と対を成す米南部サウンド志向期の代表的名曲だ。
今追加した2曲は、今回のレコ・コレ誌のランキングでは、なんと39位(「ビッチ」)と40位(「リップ・ジス・ジョイント」)というかなり下位の方に並んでいる。寂しい。
こんな感じで、曲を入れ替えて、順位を迷いながら調整すると次のようなことになる。

<私のストーンズ名曲ベスト10>

第1位 「ブラウン・シュガー」
第2位 「ビッチ」
第3位 「ホンキー・トンク・ウィメン」
第4位 「ジャンピン・ジャック・フラッシュ」
第5位 「ストリート・ファイティング・マン」
第6位 「シンパシー・フォー・ザ・デヴィル(悪魔を哀れむ歌)」
第7位 「ギミー・シェルター」
第8位 「リップ・ジス・ジョイント」
第9位 「サティスファクション」
第10位 「ペイント・イット・ブラック(黒く塗れ)」

 よし、これをはがきに書いて投票だ。うまくいったら増刊号で会いましょう。

ところで今回のレコ・コレ誌(2012年8月号)の誌面で最も印象に残ったのは、再結成PILの写真の中のジョン・ライドンの姿。往年との激変ぶりがすごい。

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