2012年1月7日土曜日

「坊主」風激辛ラーメンのレシピ

私の大好きな水戸のラーメン屋「つけ麺 坊主」。そこのメニュー「特製ラーメン」を自分なりに再現しようと試みたレシピ。これを考えたきっかけについては前回書いた

①スープ……「坊主」のスープは鶏ベースで、これに野菜と、煮干のような魚介系のだしを少し加えて煮込んでいるらしい(たぶん)。鶏ガラは、かなり長時間(8~12時間?)かけて煮込んでいるもよう(たぶん)。
これと同じことはとても出来ないので、私の場合は、前回書いたようにネットで見かけたタモリさんのレシピにならって、粉末や顆粒のだしを使うというナンチャッテ・レシピでスープを作っている。しかしこの配合には苦心した。

一食分の水500ccに、以下のもの(一応ダブルスープのつもり)を加えている。

〔動物系〕 鶏ガラスープ(顆粒) 小さじ2~3、白湯豚骨スープ(顆粒) 小さじ1、ガーリック・パウダー 小さじ1/2

〔魚介系〕 いりこだしの素、こんぶだしの素、かつおだしの素以上の三種を自分でミックスした粉末を小さじ1

上記の粉末や顆粒のだしはたいてい塩分を含んでいるので、加えていくとスープ全体がどんどんしょっぱくなってしまう。そこで、魚介系のだしについては塩分無添加のものを探して使っている。
動物系のスープは塩分無添加のものが見つからないので、普通のものを使っている。もっと加えたいのだが、しょっぱ過ぎてしまうので、この分量になっている(本当はもっと入れたい)。
なお塩気はもうこれで十分なので、ふつうスープに加えるいわゆる「かえし」、つまり、味噌とかしょうゆとか塩とかは必要ない。
鶏ガラスープに代えてチキンコンソメにしたり、白湯豚骨スープの代わりに中華あじの素(ビーフベース)などを使ったりすることもある。バランスが難しいが、それぞれそれなりの美味しさがある

しかしいずれにせよ鶏ガラを長時間煮込んでいる本物の「坊主」のスープは、やっぱり風味が豊かで、旨みに奥行きとふくらみがあり、当たりまえだがまったくかなわない。

②麺……「坊主」のは中太でコシのあるストレート麺。自家製ではなく、製麺所から仕入れているものと思われるが、ラーメン本などを見ても(ほかの店は製麺所名を出しているのに)どこから仕入れているのか明かしていない。
まるでスパゲティのようにも見えるので、実際にスパゲティで作ってみたが、やっぱりラーメンにはならなかった(当然だ)。

それで、スーパーで売っているつけ麺用の太い生麺を使っている。東洋水産(「マルちゃん」ブランド)の「つけ麺専用中華麺」というもの。ちなみに袋にあの「大勝軒」の山岸一雄監修と銘打ってある。特別なものではなく、私の近所のどのスーパーにも置いてあって簡単に入手可能。

ところでこの麺にスープは付いていない。スーパーにこの在庫がいつもたくさん並んでいる様子を見るにつけ、自分でつけ麺を作って食べる人が本当にこんなにいるのかと不思議になる。

③辛味味……「坊主」のスープは赤い。唐辛子の色であることは間違いないが、唐辛子を大量に入れただけでは、あの深みと旨みのある辛さにはならない。
とりあえず見てわかるのはスープの表面にさらに色の付いた辛味オイルが浮かんでいること。また細片が見えるので唐辛子はパウダーではなく荒挽きのようだ。
試行錯誤の末に取りあえずたどり着いたのが以下のような配合。

〔鷹の爪〕 1/2本。これを半分にちぎって種ごと投入。
荒挽きの唐辛子粉を大量に入れると、粉っぽくなって食感が悪くなるので、一部を鷹の爪に置き換えてみた。

〔豆板醤(とうばんじゃん)〕 大さじ1/2
旨みを出すために入れている。入れ過ぎると、この風味が前面に出てきてしまうのでこれでも控えめ。コチジャンも使ってみたが合わなかった。

〔唐辛子粉〕 韓国産唐辛子大さじ1~2、一味唐辛子大さじ1~2。
この量にびっくりしないでください。私は辛さに対してかなり耐性があるが、普通の人にはとんでもない量だろう。
思い返すと、私は「坊主」に何人か知人を連れて行ったことがあっだが、みんな完食できなくてギブアップしていたっけ。
韓国産唐辛子は、(意外なことに)あまり辛くない。だいたい日本産の一味の半分くらいの辛さ。その代わりにふくよかな旨みがある。たしかにキムチは韓国唐辛子でないと出来ないわけだ。
しかし、韓国産唐辛子だけだとマイルド過ぎるので、辛味にシャープさを出すため一味とブレンドしている。

〔ラー油〕 大さじ1。
「坊主」の辛味オイルの正体は不明。自家製か?
「坊主」のラーメンには、かすかにゴマの風味を感じる。ラー油がごま油ベースなのか、あるいはスープに練りゴマが加えてあるのかと思い、どちらも試してみたが、ちょっと違う感じだった。

〔さんしょ粉〕 ビン10振り。仕上げに。
舌にくる唐辛子とはちょっと違うビリッとした辛さを再現しようとした。

〔七味〕 七味(一味ではなく) 大さじ1。仕上げに。
これは「坊主」の再現ではなくて、風味をさらに足したいと思った。

④その他……以下のようなもの。

〔油〕 よくラーメン屋で目にするのは背脂だが、手軽なものが入手できないのでチューブ入りのラードを加えている。ラー油にさらにラードが入ると、コクが出るのはもちろんとして、重要なのは辛さと旨みと塩気がマイルドに溶け合う感じになること。

〔魚粉〕 最近のラーメン屋の流行で、魚介系の風味を増すために、仕上げによく魚粉が振りかけてある。「坊主」でも一部メニューで使われている。
この魚粉を手に入れたくてだいぶ苦労した。この用途専用のものは売っていないようで、煮干の粉末など使ってみたが今ひとつ。
しかし、魚介の細粉をティーバックのように紙の袋に入れたものを見つけた。これを煮出してから取り出し、本格的な和風のだしをとるためのものだ。中身はいろいろあるが、鰹節といりこ(いわしの煮干)と昆布の粉末をミックスしたものを買って、紙の袋から出して振りかけている。

〔野菜〕 これは具として入れるのだが、かなり大量に投入するので、スープに旨みを付け加える役割も果たしている。季節によって変るが、長ネギ、キャベツ、白菜、もやしなど。

〔ライス〕 私にとってラーメンには御飯が付きもの。量が足りないからではなく、あくまでラーメンをよりよく味わうためである。「坊主」は、麺の量が大盛りでも値段はふつう盛りと同じなので、大盛りを頼む人が多い。だが、私はあえてふつう盛りにして、べつにライス(「坊主」では「白めし」と言う)を頼んでいる。

⑤トッピング……次のようなものを良くのせている。

〔海苔〕 ラーメン屋のトッピングの海苔はけっこう高い。なので、家で食べるときは、ぜいたくしようと思って海苔をのせている。しばらくスープに浸してほっておき、十分にスープがしみた頃あいをみて御飯にのせて食べるのである。

〔刻みネギ〕 「坊主」でトッピングのネギを頼むと御飯茶碗にたっぷり捌盛で出てくる。どんぶりの上にどばっとあけるとラーメンが見えなくなるくらい多量だ。これを少しずつ麺と混ぜながら食べるのが最高。これを家でも再現している。ただし半日は口からネギ臭が消えない。

〔ゆず〕 たまたま今ゆずがあるので刻んでネギと一緒に薬味にしている。「坊主」の期間限定だった「極辛」ラーメンにゆずが入っていてそのセンスに感心したことがある。

以上。一応長々と書いてはみたものの、このレシピで作ってみようという人ってはたしているのだろうか。
とにかく辛過ぎには注意。大変なことになっても、私のせいじゃないからね。
なお、「坊主」で実際にこんなふうに作っているわけではないと思うので、そこはくれぐれも誤解なきよう。一応念のため。

その後、坊主の幻のメニュー「極辛麻婆らーめん」の再現も試みてみたので、興味のある方はそちらもどうぞ。
またその後、麺も自分で作るようになった。作り方は次のページを参照されたい。「ラーメンの手打ち麺のレシピ

0 件のコメント:

コメントを投稿